一塾の教室風景

勉強方法の悩み解決

数学編 Mathematics
"確実に着実に、実力をつけていく数学の勉強方法をお教えします。数学が苦手なひとには、解答のプロセスが楽しくなっていくように苦手意識の扉を開き、好きなひとにはどんどん点数を積み重ねていただきましょう!

数学編 Mathematics

数学ノート

Q 先生、数学って「天才」じゃないと解けないの??

A なんだい、急に?

Q だって、僕は数学が苦手で、全く解けるようにならないし、、、もうどうしたらいいのかわからないよ(涙)他の歴史みたいな「暗記科目」ならどうにかなる気もするけど、数学はどうにも、、、生まれつき数学の「才能」があって得意な人は本当にうらやましいなあ。

A コロちゃん、君も「数学のわな」にはまっている多くの人のうちの一人だったんだね。

Q ええ、どういうこと? というかそもそも「数学のわな」ってなんなの??

A 「数学のわな」にハマっているっていうのは、コロちゃんのように勝手に「数学は才能のある人でないと解けない」→「自分は数学の才能がない」→よって「自分のように才能がない人には数学が解けない」と結論づけて(自滅して)しまっていることを言うんだよ。
まあ、先生がそう呼んでいるだけなんだけどね(笑)
「数学は才能のある人でないと解けない」っていう考えは、本当に全くの「幻想」なんだよ。今日はコロちゃんの「幻想」を消し払うところからスタートだね。
あと、これは今回の「数学の勉強方法」には関係ないけど、コロちゃんさっき「歴史は暗記科目だ」とか何とか言ってなかった??「歴史が暗記科目」っていう考えは「一塾」ではNGだからね。気をつけましょう(笑)(勉強方法の歴史編を参照してください)

Q ああ、そうだったね。「歴史は暗記科目ではない」だったよね。失礼、失礼(笑)
まあ、それはそれとして先生、今日は「数学」について悩んでて相談に来たんだよ。「数学」のことをアドバイスしてよ!

A ごめん、ごめん(笑)今回は「数学」の回だもんね。
で、コロちゃんはどんな時に「数学」の悩みを持つんだい?

Q うーん、他の人がスラスラ数学を解いている時とかかな?例えば、「一塾」で先生が数学をスラスラ解いているのを見ているとやっぱり「先生はすごいなあ、数学の才能があるんだなあ」って思うもん、、、「僕とはちがって」って。。。

A ああ、コロちゃん、君はやっぱり勘違いしているよ。今コロちゃんは先生が数学をスラスラ解いているのを見て、「才能がある」って言っていたよね。残念ながらもうこの時点で大きく間違っているんだよね。。。 だって先生には「数学の才能なんて全くない」んだもん。
コロちゃんには信じられないかもしれないけど、先生だって最初は「数学って天才じゃないと解けないのかな」と思い悩んで、「数学のわな」にハマっていた一人だったんだよ。

Q ええ、信じられない!!先生あんなに数学が解けるのに、、、あれは、数学が「得意」で「才能があるから」解けているってことではないの??

A そうなんだよ。先生は断じて数学の「才能はない」し、数学が得意なわけでもなかったんだ。むしろ最初のうちは、先生にとって数学は「一番苦手な科目」ですらあったんだからね。そんな「数学の才能がない」先生が一気に数学ができるようになった理由はただひとつ。そう、それまでわかっていなかった「正しい数学の勉強方法に気づいた」ただそれだけのことなんだ。
実は、先生は中学時代まではその「正しい数学の勉強方法」に気づくことができずに、数学はかなり苦手だったんだけど、高校に入るくらいの時に「正しい勉強方法」に気付くことができて、一気に数学が得意になったんだ。それからというものは、高校では数学の中間、期末テストではほとんど100点近い点数をとり、それに入試対策の模擬試験でも同学年の500人の生徒のうちで1番を取ることもできるようになったんだよ。
繰り返すけど、この躍進は「数学の才能」とは全く関係なく、ただ、「数学の正しい勉強方法に気づいた」 それだけのことなんだよ。

Q ええー、「数学の正しい勉強方法を知る」だけで先生は急に数学が得意になったの? 本当かなあ??
じゃあ僕もその「数学の正しい勉強方法」を知って、そのとおり勉強していけば僕だって「数学をどんどん解けるようになっていく」ってことなの?!

A もちろんだよ、コロちゃん。この「数学の正しい勉強方法」を知って、勉強を重ねていけば「数学のわな」からも抜け出せて(笑)、すぐに数学が得意になると思うよ。

Q へえー、僕でも数学が得意になるのか、、、なんだかまだ信じられないけど。。。
で、その「数学の正しい勉強方法」っていうのはどういうものなの? 早く教えてよ!

A 「数学の正しい勉強方法」は大きく2つのポイントがあるんだ。その2つとは、①「数学の問題のパターンを「暗記」すること」、②「なぜ?と疑問を持つこと」この2つのことなんだ。特に①「数学の問題のパターンを「暗記」すること」については、大げさに言ってしまうと、「数学は暗記教科である」ってことなんだ。

Q 先生、ちょっと待ってー!! ②の「なぜ?と疑問を持つ」、これはわかるよ。だって数学ってそういうふうに「なぜ?」って考えていく教科だもんね。でも①の「数学の問題のパターンを「暗記」すること」ってどういうことなの??数学って「暗記」っていうイメージが全くないんだけど、、、あとそれに「一塾には暗記教科がない」んじゃなかったの? 先生ついさっき言ってたじゃん!僕は①「数学の問題のパターンを「暗記」する」っていうのはどうも納得がいかないなあ。。。

A ああ、コロちゃんごめん、ごめん。そうだね、「一塾には暗記科目はない」だったね先生がさっき言った「数学は暗記科目である」の「暗記」っていうのは当然「理解して覚える」っていう意味の「暗記」だよ。よくある「ここは覚えとけ!」って「丸投げ」する「丸暗記」とは違うからね。「一塾」ではここは「ここは覚えておけ!」っていう「丸投げ」=「丸暗記」は一切ないんだ。だってこれほど先生にとって無責任で恥ずかしいことはないからね。そんなこと先生自らが「ここは先生ちょっとわからないから、生徒の皆さんどうぞ頑張って暗記して下さい」って言っているようなものなんだからね。
で、実はコロちゃんの誤解を恐れずに先生はなぜ「数学は暗記教科である」とちょっと大げさに言ったかというと、生徒の皆さんがあまりにも数学を「暗記とはかけはなれた」=「才能で解く」教科であると誤解しているからなんだ。コロちゃんもそうだったでしょ? 「数学のわな」のお話ね(笑)
だから先生は強く言いたい。数学という教科に、少しでも「暗記する(理解し覚える)」っていう感覚を生徒の皆さんに持って欲しいと。でも「一塾は暗記科目がない」っていう方針とややこしくなるから①「数学の問題のパターンを「暗記」すること」は①「数学の問題のパターンを「理解し覚える」こと」っていうふうにわかりやすいのに変えておこうか(笑)コロちゃんもこれで許してね(笑)

Q ああ、そうか、先生が「数学は暗記教科だ」なんて言い出すから、てっきり「丸暗記」の方をイメージしちゃったよ。でも、考えてみたら「一塾」でそんな「丸暗記」戦法を勧めるはずがないよね(笑)
でも先生、丸暗記でないってことはわかったけど、そうは言っても結局、数学を「理解して覚える」ってことだよね?やっぱり数学は「覚える」っていう感覚は僕にはないかな。。。それに数学の何を覚えればいいの?やっぱり公式を覚えるってこと??

A 確かに公式は覚えてもらうよ。正弦定理、余弦定理、加法定理、数列の公式、シグマの公式、、、もちろん全て証明を交えて「なぜ」そうなるのかを理解してもらった上でね。(ただし、加法定理の証明はやや複雑でこの公式の証明問題がそのまま東大で出題されたことがあります。公式の証明そのものが東大入試に出ることは普通あまりないんですがね。。。こういう複雑なものに限って、状況を見て証明を割愛して授業を進めることもあります。)
で、公式のことはまた後でもう少しお話するとして、、、コロちゃん、先生の話よく聞いてた?先生は①「数学の問題のパターン」を「覚える」ように言ったんだよ。「公式」ではなく「問題のパターン」ね。そりゃ誰だって「公式」は覚えようとするよ。(注:しつこいようですが、「一塾」では「理解」した上で覚えてもらい、しっくりした感覚で「公式」を使ってもらうようにします。) 先生は「公式」はもちろんのこと、「問題のパターン」まで「覚えて」ほしいって言ってるんだよ。

Q 「問題のパターン」を「覚える」か、、、ということは、例えば問題を1問解いたら、またその問題を「こうやってといたんだなあ」って「振り返って」その「解き方を頭に入れることを意識する」って感じで数学の勉強を進めていけばいいってこと??

A そう、コロちゃんの言うとおりで、問題を「ただ解きっぱなし」ではなくその問題を「振り返り、流れをなぞっていく」(=反芻する)作業が絶対に必要なんだよ。
この「振り返り」の作業っていうのは、「10問といたらその都度その10問をサッと自分の頭の中で追っていく」といったように、「小刻みに振り返る」というやり方がまずはあるんだ。(この方法は、数学がまだまだ得意でない生徒に有効です。進みは少し遅くなりますが、数学の解き方がどんどん頭に定着し、やがてペースアップも可能になります。あと、最初のうちは頭で問題の流れを追うのが難しかったら、回答を見ながらで全く問題ありません。) あるいは「まず1週間くらいでまとめて数学の問題を解いて、その次の週になったらまとめて復習する」というように、「一気に振り返る」という方法もあるよね。(このやり方は、数学がかなりスムーズに解けている生徒に有効です。スラスラ解けているのに、10問ずつ振り返るといった先ほどの「小刻みな振り返り」は足かせとなり、時間のロスにつながる可能性もあります。数学が得意になってきた生徒は一週間、あるいはもっと長い1ヶ月といったスパンで振り返る方がより多くの問題を頭に定着させることができます。)このようにやり方は様々だろうけど、いずれにしてもこの「振り返り」の作業はやらないと数学は絶対に得意にはならないんだ。だってコロちゃん、数学以外の教科だったら問題を解いてやりっぱなしではなくて復習したり振り返ったりして理解しながらその問題を「覚え込もう」とするでしょう?数学も全く同じように「覚え込もう」って意識して進めていかないと問題は解けるようにはなっていかないし、テストの点数も上がっていかないんだよ。

Q そっか、確かにそうだね。今までは数学だけ何だか「特別な教科」(=才能で解く教科)だと思ってたけど、数学も他の教科と一緒で、ひとつずつの問題を着実に「理解し」、それを解き直したりして「振り返り」、そしてひとつずつ「覚えて」いくという基本のスタンスは全く変わらないってことだね。そうだよね、「才能」でしか解けないような教科が受験科目になっちゃうほど世の中いじわるじゃないよね(笑)
こうやって数学の問題もひとつずつ理解して「覚えて」いけば、それと同じ問題が出てくればその問題は完璧に答えられるようになるもんね!

A そうだね、コロちゃんの言う通り、「全く同じ」問題が出れば必ず解ける様になるよね。また、「全く同じ」問題でなくても、例えば問題の「数字の設定」だけ変えた様な問題も解ける様になるはずだよ。だって問題を「丸暗記」することは「一塾」ではNGで、問題の「流れにそって理解しながら」覚えていくわけだからね。問題の流れを理解しながら覚えている以上「数字の設定」が少し変わったくらいでコロちゃんは動じる必要は全くないんだよ。で、授業でやった問題と「全く同じ問題」や「数字の設定だけを変えた様な問題」ばかり出てくるのが「学校の中間、期末試験」だよね。(ただし、学校によっては授業でやっていない様ないわゆる応用問題が多く出されることもあります) ということは、コロちゃんも先生がさっき言ったように、数学も「他の教科と同じ方法、考え方」でテスト勉強をすれば、それだけで「学校の中間、期末試験は満点近い点数を取ることができる」可能性が高いってことなんだ。

Q なるほどね。この勉強方法で「学校のテストが満点に近い点数を取れる」んなら僕も頑張ろう! それで先生、こういった「基礎問題」(=学校の授業ですでに勉強した問題)は解けるような気がしてきたけど、今までにやったことの無いようないわゆる「応用問題」はどう解いていけばいいの? やっぱりこういうのができるようになって初めて「数学が得意」だって胸を張れる気がする! ああ、でもこれこそ「天才」じゃないと解けないってことなのかなあ?

A ああ、コロちゃん、またその考えに戻ってしまったね。それだと「数学のわな」に逆戻りだよ(笑)
コロちゃん、そもそも「応用力」ってなんだと思う?

Q ええ、「応用力」??ええと、、、やっぱり「何にも勉強してないのに問題を解けちゃう」様なことをいうのかな?よく学校でも「俺、勉強なんにもしてないけどこの問題解けちゃった!」って得意げに(笑)言っている人を見かけるけど、あれは僕も「すごいなあ」って思うもん(悔しいけど)。ああいう人ってのはどうやって解いてるのかなあ? 解き方が「天」から「降って」きてるのかなあ?? だってそうでもしないと勉強してないのにいきなり問題が解けるわけないもん。。。ああ、やっぱりああいう人たちは「天才」なんだ(涙)、、、

A うーん、コロちゃんは「応用力」について完全に「思い違い」をしてしまっているようだね。「応用力」っていうのはコロちゃんがいうような「天」から、あるいは「上」から降ってくるようなものでは決してないんだよ。そんな何もないところからいきなり解答を導くなんていうのはもはや「応用力」ではなく「超能力」だよ(笑)
そうじゃなくて、「応用力」っていうのは、「自分が今まで覚えてきた知識を土台としてそこから解答を導き出す力」のこと。だから、「応用力」は限られた人にしか与えられないような「オカルトチックな力」ではなく、誰でも必ず身に付けることができる極めて「普通の力」なんだよ。だからコロちゃんは「応用力」と言っても何か特別な勉強をする必要は全く無いんだよ。
ああ、それとね、学校でよく「俺、勉強してないけど問題解けた」っていってる人の大半は、本当は勉強してるからね(笑)自分は「やってないけどできるんだ!」っていうキャラを作り出しているに過ぎない(爆笑)

Q へえ、じゃあこんな僕にも「応用力」は付いて、「俺、勉強してないけど問題解けた」って言っている人たちにも対抗できるってことだね(笑) で、「応用力」は「今まで覚えたことを基にして解答を導き出す力」のことをいうって事だったね。どうすればこの「応用力」が付くのかな?

A まずはもちろん問題をより多く解いて、土台となる「知識を増やしていく」ことだね。(この時、必ずしっかり「理解」して進めていかなければなりません。さもないと、この知識の土台は非常に脆い(もろい)ものとなり、「応用力」を下支えするものとはなりえません。)つまり、数学も他の教科と一緒で、まずは土台となる「知識を増やしていくこと」=「覚えていくこと」が大切だってことだよね。で、特に数学の場合はひとつずつの問題の「パターンを覚えていく」っていう意識が大事だからね。つまり1問1問のを「流れ」でもってしっかり「覚えて」いくってことね。こうすればまずは「応用力」の基となる「知識」が確実に増えてくるよね。

Q ふーん、なるほど。で、そのあとはこれをどうやって「応用力」につなげていくの??

A 知識の土台を「応用力」につなげていく方法、、、それは「類題をたくさん解いていくこと」、これに尽きるね。

Q 「類題」をたくさん解いていく、、、ああ、似た問題をどんどん解いていくってことか。。。

A そう、この「類題」を解いていくという作業が数学の「応用力」を伸ばす上で一番大切なんだ。というか、この「類題」を解く力のことを「応用力」といってもいい。覚えたことを基にして解答を導き出す力が「応用力」の正体だったよね。
数学は、1問解いて「解きっぱなし」はNG。1問解いたら「復習して、理解して、覚える」ところまで行ったら○(知識の土台レベル)。1問解いて、その後に、「類題まで自分で解く」ところまでいけば◎(「応用力」のレベル)。 こんなイメージかな。

Q なるほど、「類題を解いていく力」が「応用力」ってことなのか。その時に、今まで覚えた知識を土台にしてね、、、ああ、そうか! 土台となる知識がそもそもなければ、類題もへったくれもない、、、知識がゼロであれば似た問題を解くといった話にすらならないもんね。だから、先生はしきりに「まずは数学の問題のパターンを覚えていくことが大切だ」って言ってたんだね。まずは「知識」、そしてその次に応用力という順番はどの教科でも同じ事なんだね!「応用力」は何もないところから湧いてくるもではなく、それを下支えする「知識」を礎(いしずえ)にして導いていくものなんだね!
ところで先生、「応用力」を伸ばすには「類題」が大切だってことは、「一塾」の授業では「類題」意識して進めているってこと?

A もちろんだよ。授業では基礎問題をといていく中で、「類題」を所々に、かつ絶妙なタイミング(笑)で入れるようにしているよ。「一塾」の講師陣は、数学の問題の解説をすること自体は、はっきり言って朝飯前。目をつぶっててもスラスラできるよ(笑)。「一塾」の講師陣が授業で意識しているのは、そんなところではなく、むしろ生徒の顔の表情を見て「ここであの類題を出したらこの子達はさらに理解を深めてくれるかなあ」ということなんだ。だから、「一塾」の授業を受けていれば、基礎問題をスラスラ解けるようになるのは当然(なぜそう解くのか理解しながら覚えていきます)、絶妙なタイミングで最も適した「類題」をどんどん解いていってもらうわけだから、「応用力」も付いていくに決まってるんだよね。
あとね、生徒が質問に来た時も、先生は「類題」を出すっていうのを常に意識しているよ。生徒が質問に来て、その問題に答えて解説するのははっきり言って、塾の講師としては当たり前。(それを素早く、正確に答えないようでは、それはもはや塾講師ではない。)質問に答えるだけでなく、その時に「じゃあ、ついでにこの問題はどう思う?」って「類題」を解いてもらうようにしているんだ。「一塾」の講師陣は、様々な問題のパターンがすでに頭の中に入っているから、その場で適切な「類題」を提供できるようになっているんだよね。 「その場でパッと類題を出す」ってところが大事なんだよね。だって「ちょっと待ってて、今類題探してくるから」って言ってゴソゴソ本をあさってたりしたら生徒は「今日質問したいところはわかったんで、今日のところは大丈夫です」って言ってすぐに帰っちゃうじゃない(笑) 生徒が帰ってしまう前に、少しでも「応用力」を付けてもらうためにいつも「類題」を提供しているんだよ。

Q なるほどねえ。こうやって「一塾」の数学の授業を受けていれば、基礎問題を理解し、覚え、その後応用力を伸ばしていくことができそうだね。何だか自信が湧いてきたよ。それに①「数学の問題のパターンを理解して覚えていく」ことが大切だってよーくわかったよ。これからは、ほかの教科と同じ、「覚える」っていう意識を持ちながら数学の勉強に取り組むようにするね。で、②の「なぜ?と疑問を持つ」も大事って先生言ってたけど、これはもうだいたいわかったよ。先生が言ってたように、公式を覚える時も「なぜ?そうなるのか」って意識しながら覚えるべきだし、当然「類題」を解いていくときにも「なぜ?」って思考するもんね。こういうふうに「なぜ?」っていう思考をすることで本当の理解が得られるんだもんね。

A コロちゃんその通りだよ。②の「なぜ?と疑問をもつ」ことの大切さはもうすでにコロちゃんもわかっているようだね。それに、、、この数学の回、結構長く話してるよね、、、最後にひとつだけ例を出してスパッと終わらせよう(笑)
じゃあ、コロちゃん、最後の質問ね。数学の式の「移項のルール」ってどんなものだっけ?

Q 「移項のルール」、、、ええっと、例えば式の右側にXがあったらそのXを左側に持って行く時にマイナスを付けるっていうあれでしょう?

A そうだね。コロちゃんの言うように例えば、
 2X+4=X+8
という方程式があればまず右辺(=の右側の部分)にあるXを左辺(=の左側の部分)に持っていくと
 2X+4-X=8
というように、右から左に移動させるとマイナスになる(符号が逆になる)ってことだね。当然Xのような文字ばかりでなく、数字だってこのルールが成り立つよね。さっきの式で言えば、
 2X+4-X=8
ここから左辺にある+4を右辺に持っていくと
 2X-X=8-4
と、こうなる。今回は左から右に移動させたけど、左辺にある4を右辺に持っていけば-4となってやっぱりマイナスがつく(符号が逆になる)よね。
こういうふうに「右辺から左辺へ、あるいは逆に左辺から右辺に文字(Xなど)や数字を移動(移項)させるとマイナスがつく(符号が逆になる)こと」を「移項のルール」というよね。コロちゃんも、この「移項のルール」をうまく使って、いつもこういった方程式を解いていると思うんだ。(今回は上記の結果X=4を導き出せます。)
で、コロちゃん、このルールはなぜ成り立つと思う?

Q ええ、なぜって言われても、、、そういうルールなんでしょ? そんなの疑問に思ったことはなかったなあ。

A コロちゃん、それだと②の「なぜ?と疑問を持つ」を達成していないことになるよ。コロちゃんは「そういうルールなんでしょ。」で片付けちゃったけど、この「移項のルール」にも当然そうなる「理由がある」んだよ。
(注:この「移項のルール」は中学の最初に習う一番基本的なルールなのですが、「なぜそうなるのか?」と生徒の皆さんにあえて質問すると、なんと意外にも答えられない生徒さんも少なからずいました。)
じゃあ、コロちゃん仕方ないね、、、ヒントを出すよ。まず下の式
 5=5
これはいいよね。5=5(5は5と等しい)、、、当たり前だよね。

Q うん、バカにしないで欲しい(笑)

A じゃあ、この
 5=5
の左辺から2を引き算すると
 5-2≠5
になる。( ≠ は右辺と左辺がイコールではないということです。左辺だけ2を引き算したわけですから当たり前ですよね。左辺は5-2で3になるわけですから)
じゃあコロちゃん、この式を ≠ から再び = へと戻すためにはどうすればいい?

Q ええと、右辺も2で引き算すればいいんじゃないかな。左辺だけ2を引き算するのは不公平だもんね。

A そう、コロちゃんの言う通りだね。さっきは左辺だけ2を引き算したから
 5-2≠5
というように ≠(イコールではない)ということになったけど、右辺も同じく2を引き算すれば、
 5-2=5-2
と左辺も右辺も両方3になるから当然 =(イコール)になるよね。
この考え方を使って、さっきの「移項のルール」を説明できないかな?

Q ・・・ああ!わかった!さっきの
 2X+4=X+8
は、右辺と左辺両方から「Xを引き算すればいい」んだね!
そうすると、
 2X+4-X=X+8-X
となって右辺ではXと-Xがお互いに消しあってなくなる。で、結果的には
 2X+4-X=8
となるんだね!
だから、移項したらXの符号がマイナスになる(符号が逆になる)というよりもむしろ、ただ単に右辺と左辺両方から「Xを引き算している」っていうのが「移項のルール」の正体だったんだね!
 2X+4-X=8

 2X-X=8-4
というようになったのも、右辺と左辺の両方から「4を引き算している」ってことなんだね!
ふーん、今までは「移項のルール」はルールとしてただ使っていただけだったけど、こういうふうにちゃんとした「理由」があったんだ!!

A コロちゃん、その通り。「移項のルール」もなぜそうなるのか「理由」がしっかりあるんだ。フタを開けてみれば「両辺から同じ数を引き算している」という単純なものだけど、意外とこの「理由」を知らずに数学を解いている生徒も多いんだよ。現にコロちゃんもわかってなかったし(笑)
でも大切なのは、これから「なぜ?」という観点を常に持ちながら数学を解いていくってことだね。前半では「数学は暗記である」って強調したけど、やっぱり数学の醍醐味は「なぜ?」と思考していくところにあることは間違いないんだ。
こんな「移項のルール」といった最も基礎的な部分にも「なぜそうなるの?」という「思考の場」が存在したでしょう。この果てには、例えば「円周率が3.05より大きい事を証明せよ」といったもっと発展的な「思考の場」が存在したりするんだ。(これは東京大学の入試問題です。円周率は3.14...であることはよく知られていますが、その円周率が少なくとも3.05よりは大きい数であるということを証明するものです。その当時、いわゆる「ゆとり教育」の下で、小学校では円周率を3.14ではなく3として計算させていたことを反映し、東京大学が「円周率は3ではないぞ!少なくとも3.05よりは大きい数だぞ!」というメッセージもあったのではないかとも言われています)
数学にはどのステップでも必ず「なぜ?」と問いかける場面がある。だからコロちゃんも「これは決まっていることなんだ」と思考停止するのではなく、常に「これはなんでこうなるんだろう?」と思考を働かせるクセをつけて欲しいんだよ。たとえコロちゃんが取り組む数学の問題がどんなに基礎的であろうと、また発展的であろうとね。

Q そっか、数学の基礎問題の解き方を覚えて、類題を解いていって、果てにはさっきの東大の応用問題みたいなのがあるけど、どのステップにも「なぜ?」と思考する面白さ、そして大切さがあるってことなんだね。で、あとは、「数学は才能で解くものではない」んだから、日頃、基本問題をといている時にも「数学を理解し、覚えていこう」と「意識を持つこと」も忘れてはいけないってことだね。
先生、最初は数学は「わけのわからないつまらないもの」だと思ってたけど、なんだかこんな僕でも「得意になれそう」だし、そしてなにより「面白そう」だね! 早速今日から今までとは違った考え方で数学に取り組んでみるよ! 今日はありがとう!

A こちらこそ今日はありがとう。また今度も数学の話をたっぷりしよう!(笑)